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茶道具

『香炉』の骨董品としての価値や買い取りについて

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香炉のイメージ画像

茶道具の買い取りといえば、『香炉』も活発に取引されています。一口に“香炉”といっても、置香炉、柄香炉、釣香炉、袖香炉、被中香炉など、様々な種類があります。古い香炉には高い価値が眠っている場合もあり、高価買取されるケースも決して珍しくないことです。今回の骨董品買取コラムでは、香炉の買い取り、香炉の魅力や歴史などについてご紹介します。

香炉の魅力

香炉は香を炊くために使用する道具です。香炉の中には、灰と火をおこした炭を入れ、その上に香をのせて燻らせます。もしくは直接火をつけた香を空薫(そらだき)する際にも使用します。金属、陶器、漆器など様々な材質の香炉があります。

香炉の歴史

香炉は、日本には仏教と共に大陸より伝来しました。香炉、燭台、花立をセットとして三具足(みつぐそく)、もしくは燭台と花立を二対ずつと香炉で五具足(ごぐそく)として、仏前に供える仏具でした。平安時代になると宗教的な場面以外でも、貴族が香を日常的に使用し始めます。香を組み合わせ、衣服にお気に入りの香りを移すなどして楽しむようになりました。鎌倉時代以降は、兜などの武具に香を薫き込めるなど、武士も香を楽しむようになりました。

室町時代になると、現在の香道に繋がる基本的な作法が誕生します。室町時代には茶道も誕生し、香炉は書院飾りの重要な道具となります。書院の茶から侘び茶へと流行が変わるにつれて、茶道では香を香炉ではなく炉や風炉に直接入れて焚くようになりました。香炉は必ずしも必要な道具ではなくなりますが、床飾りとして茶席に頻繁に登場します。煎茶道において香は線香を使用することが多く、焚く際は簡単に香立を使う場合と、香炉を使う場合があります。香炉は香盆や香台にのせて床や違い棚に飾って使用します。

龍泉窯の青磁香炉

日本で昔から人気のある香炉の一つに、龍泉窯の青磁袴腰香炉があります。袴腰香炉は、原型は古代中国の青銅器で、口が広く頸部が引き締まり、胴部が平たく張っていて袴をはいているような姿をしています。中でも南宋から元時代に作られた上質な作品は、青磁釉が厚く掛けられ、釉色が美しい青緑色を呈していることから、日本では「砧青磁」と呼ばれています。

この砧青磁の袴腰香炉は、鎌倉時代の日本に輸入され、上質な伝世品が数多く残されています。茶道具を取り扱う美術館に行くと青磁袴腰香炉が展示されていることがありますので、ぜひ、その整った美しい姿と晴れやかな釉色をご堪能ください。

香炉の価値と買い取り

骨董品、美術品、貴金属として価値がある香炉は非常に高価です。鎌倉時代に誕生した阿古陀形香炉や、中国の龍泉窯で宋の時代に作られた龍泉窯の青磁香炉、桃山時代の美濃焼の香炉などが名高いものです。近現代でも帝室技芸員や重要無形文化財保持者などの著名な作家による香炉は人気があります。

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