中国陶磁器の特徴・魅力
中国陶磁器は歴史が長いだけに種類も技法も多く簡単にまとめることは容易ではありませんが、大きく分けると、土器、炻器、陶器、磁器の4つに分けられます。
この中で釉薬(うわぐすり)を塗ったものを、中国ではすべて磁器と呼んでいます。
磁器中でも世界的に見て大きく評価されているのが白磁と青磁です。
白磁はカオリン質を多く含んだ白地の粘土に、無色の釉薬を塗り、高い温度で焼き上げたものです。透明感のある白色が魅力です。
一方、青磁は鉄分を多く含む「灰釉」を塗ったもので、こちらも高温で焼き上げます。
焼き上がった青磁は鉄分の量により、青緑色、黄色がかった緑、水色など、変化に富んだ色を呈します。
中国陶磁器の歴史
中国陶磁器の歴史は大変長く、紀元前7000年という新石器時代にすでに陶磁器の原型が存在していたことがわかっています。
その後、唐、宗、明、清と主な時代を越えていく中でそれぞれの時代の特徴ある陶磁器が作られました。
この中でも宋時代は陶磁器の最盛期と呼ばれており、「宋時代の5代名窯」と言われる定窯、鈞窯、官窯、汝窯、哥窯が生まれ、数々の名作を生み出しました。
時代が下って明時代になると花柄などの絵をあしらった陶磁器が多数作られました。
そして清時代になると、釉の質も向上し、より多くの色が生み出され、中国陶磁器は美術品としての地位を不動のものにしていきました。
中国陶磁器の作品
中国陶磁器には数え切れないほどの作品がありますが、その中でも世界的に有名なのが秦の始皇帝陵に置かれていた兵馬俑です。
兵馬俑とは兵士や馬に形どった灰陶の人形のことで、今は灰陶の色しか残っていませんが制作された当時は赤、黒、白などの色が付けられていたと考えられています。
唐時代には「唐三彩」と呼ばれる黄、緑、白の3色を使った陶磁器が作られ、特に馬やラクダなどの置物は有名です。
また、宋時代の汝窯から作り出された青磁の陶磁器は現在世界中で70点ほどしか存在していないため希少価値と考えられています。
主な所蔵先は北京及び台北の故宮博物院などですが、大阪市の東洋陶磁美術館にも所蔵されています。
中国陶磁器の価値と買い取り
中国陶磁器が人気を博しているのはその種類の多さにあります。
特に時代ごとにユニークな特色が現れ、見る者の目を楽しませてくれます。
中国陶磁器も他の骨董品と同じで、歴史の長いものや名窯で作られたものであれば価値が高くなりますが、中国陶磁器では、特に割れや欠けが発生しやすい問題があります。
ですから、まずこうした問題が少ないことを確認する必要があります。
さらに、陶磁器を収納する箱やその他の付属品が付いているかどうかでも価値が異なります。
中国陶磁器をお持ちで買取り先をお探しの場合は、専門家の鑑定を受け、真価を判断してもらうことをおすすめします。